2009年5月から全面通行止めにして改良工事をしていた松本市安曇の県道白骨温泉線について、県松本建設事務所などは31日、同市内で会議を開き、開通日時を12月1日午前11時半と決めた。白骨温泉(松本市安曇)と国道158号を結ぶ同線は、工事前は冬季の間閉鎖してきた。改良で通年通行が可能になり、地元関係者らは利便性向上に期待している。 同線は、白骨温泉への観光や住民の生活道路として使われてきたが、道幅が狭く勾配も急なため、12月から4月までは通行止めにしていた。03年1月には、冬季に白骨温泉に通じる唯一の道路・林道奈川安曇線(上高地乗鞍スーパー林道)で雪崩が発生。同温泉が一時孤立した。これを受け松本建設事務所は白骨温泉線改良に着手。通年利用が可能となるよう、全長5・0キロのうち3・8キロで工事を進めてきた。 改良により、バスが何度も切り返さないと通れなかった「Zカーブ」と呼ばれる急カーブを拡幅、切り返しなしで通行可能にした。安全確保のためカーブの前後に信号を設置し、冬季は片側通行にする。勾配がきつい区間には道路下に電熱線を入れて凍結を防ぐ。大型車同士がすれ違うことができる待避所を8カ所設けた。インターネットで道路状況も確認できるようにする。12月1日は国道158号側から開通する予定だ。 31日の会議には同事務所や市、白骨温泉町会役員らが出席。小日向義夫町会長(64)は「白骨温泉線の冬季通行は地元の念願だった。観光客にも安全に訪れてもらえるようになりうれしい」と話していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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