Quantcast
Channel: 信濃毎日新聞
Viewing all articles
Browse latest Browse all 7401

県内で広がる男性介護者支援 3日に近隣県のネット発足へ

$
0
0

 県内で、妻や親を世話する男性介護者を対象にした支援団体が増えている。2010年の厚生労働省の調査によると、自宅で介護する人の3人に1人は男性だが、周囲に相談するのをはばかったり、地域との関わりが薄かったりして悩みを抱え込む人が多いとされる。上田市で11月3日に開く男性介護者の全国交流会では、近隣県の支援団体でつくるネットワークが発足する予定だ。  10月中旬に県が岡谷市で開いた男性介護者の交流会。約30人の参加者は「食事介護が大変」「介護がいつまで続くか不安」といった悩みを互いに打ち明けた。妻を10年以上介護している下水内郡栄村の男性(84)は「同じ立場の人の話は励みになる。たまに息抜きすると心がさっぱりする」と話した。  県内では定期的な交流会も開かれている。2004年発足の「シルバーバックの会」(事務局・上田市)が、介護者同士が語り合う場を上田市と小諸市で毎月開催。09年に発足した茅野男性介護者の会(茅野市)も2カ月に1度のペースで会を開いている。  また、北佐久郡御代田町社会福祉協議会の居宅介護支援事業所も昨年9月から2カ月に1度の昼食会を開き、伊那市で同11月に発足した「おとこ介護もいいんだに」も毎月交流会を開催。ともに男性介護者6人ほどが参加している。  一方、小諸市は男性向けに酒を飲んで交流する会をことし始め、10月19日には4人が参加。定期開催を求める声も出たという。諏訪郡下諏訪町や上伊那郡飯島町の社会福祉協議会もこうした会を開くことを検討している。  シルバーバックの会の宗利(むねとし)勝之代表(50)は「男性は、愚痴をこぼすために見知らぬ人が集まることに抵抗があるようだ」と分析。地域福祉が専門の津止(つどめ)正敏・立命館大教授は「介護者が孤立すると、最悪な場合は虐待など不幸な事件の温床になりかねない」とし、「閉塞(へいそく)感が漂う介護生活をくぐり抜けるためにも、会合などに参加し、新しい社会との関係をつくることが必要だ」と呼び掛けている。(長野県、信濃毎日新聞社)


Viewing all articles
Browse latest Browse all 7401

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>