県警山岳遭難救助隊と県山岳遭難防止対策協会が22日まで3日間、大町市などで開いている救助技術研修会に、救助隊員が配置されていない飯田、小諸、岡谷署から3人の女性警察官が志願して参加している。研修会に救助隊員以外の女性警察官が参加するのは初めてといい、救助隊に入隊するのが目標という3人は熱のこもった訓練を重ねている。 研修会は救助隊員や遭対協会員が対象だったが、主要な山岳地帯以外でも遭難が増えているため、救助隊員がいない警察署も遭難に対応できるよう、昨年から一般の警察官も参加できるようにした。 3人は飯田署の田中菜穂巡査長(27)=北安曇郡白馬村出身、小諸署の門(かど)ゆう巡査(29)=岐阜県出身、岡谷署の神戸里奈巡査(25)=長野市出身。全員が救助隊に憧れて県警に入り、今は地域課や交通課に勤務している。 門さんは岐阜県内の信用金庫を辞め、昨年警察官に。山岳会に所属して北アルプス槍ケ岳や双六岳などに登ったことがある。田中さんは幼いころから北アに登っており、神戸さんは大学のワンダーフォーゲル部員だった。 21日は長野市箱清水の「物見の岩」で訓練。女性3人を含む一般の警察官7人はザイルの結び方やしまい方、高さ約15メートルの岩壁を下る方法などを学んだ。田中さんは「1人でも多く救助できるよう、技術をしっかり習得したい」と意気込み、神戸さんは「まず注意喚起に力を入れ、遭難を抑止したい」と話していた。 指導した救助隊の岡田嘉彦副隊長(42)は県内の遭難者の3割は女性だとし、「同じ女性だからこそ配慮できる救助もある。十分な体力と技術を身に付け、目標に向け頑張ってほしい」とエールを送っていた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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