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国に「隠された」東南海地震 諏訪の体験者、資料展示へ

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 太平洋戦争末期、諏訪地方に大きな被害をもたらした東南海地震の実態調査に取り組んできた「東南海地震体験者の会」代表の飯田悦司さん(88)=諏訪市高島=が、住民の証言を基に作成した地図などの資料を市民向けに展示しようと準備を進めている。国会で特定秘密保護法案が審議される中、飯田さんは「重要な情報が国によって秘密にされた歴史があることを知ってほしい」と訴えている。  東南海地震は1944(昭和19)年12月7日、紀伊半島沖を震源に発生。諏訪市は震度6の強い揺れに襲われた。だが、戦時下の情報統制で地震の詳しい情報は国民に知らされず、諏訪の被害の実態も長年、不明だった。  飯田さんらは84年、有志で「体験者の会」を発足。地震を経験した住民への聞き取りや国の「極秘」扱いの資料の発掘などを進め、94年に記録集を発刊した。今回展示を計画するのは、記録集の基となった手書きの地図や表など。地震で全半壊した建物の分布や軍需工場で働いていた学生の数、けが人の状況などが模造紙に書き込まれている。  「国民の知る権利を奪う特定秘密保護法案は、戦時中の日本の姿と重なる」と話す飯田さん。「隠された地震」についての証言や資料を集め、歴史に光を当てるまでには大変な時間と労力が必要だった。当時の苦労がにじむ生の資料を見てもらうことで、「目隠しされた国民が何も言えなくなってしまう」社会の怖さを知ってほしいという。  展示は、諏訪市役所のロビーで行う方向で、日程などを市と調整している。(長野県、信濃毎日新聞社)


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