ながの東急百貨店(長野市)は25日、本館地下食料品売り場に入るテナント「イタリアンキッチンBOSCO(ボスコ)」が販売した「国産牛カルビ重」(680円)に、米国やカナダ産の牛肉が使われていたと発表した。同テナントでは「鶏もも肉照り焼き丼(国産)」(580円)でも一部、外国産の鶏肉を使っていた可能性がある―としている。レシートやクレジットカードでの支払い記録などがあれば全額を返金する。 大手百貨店でのメニュー虚偽表示問題を受け、ながの東急百貨店はテナントを含めて誤表示がないかどうかを確認。11月7日、子会社が運営する「ながの東急ライフ」(長野市)と併せて「原料と表示が異なる商品はなかった」と公表していた。この時点では口答での確認で、その後、産地証明書の提出などを求めたところ、今回の2商品の問題が判明した。4月20日から11月10日まで、それぞれ約千個を販売したという。 このテナントを運営する「ボスコ」(長野市)によると、「国産牛カルビ重」は加工会社からステーキ用に加工した肉を仕入れて使用。カルビ重の4月の発売開始まで別の商品用に仕入れていた加工肉は「国産」と表示されていたことから、「国産だと思っていた」という。鶏肉は加工会社に確認したところ、「一部でブラジル産を使っている」と回答を受けたという。 ボスコの北川原晃専務は、当初は「自社では誤表示があるとは考えもしなかった」と説明。「商品の管理やメーカーへの監督不足で、お客さまに大変申し訳ない。原料の確認を徹底して厳しくしていく」と述べた。市内で経営するレストラン2店舗での誤表示は「一切ない」としている。 同百貨店経営統括部は「今後はテナントに対し、求めた時に産地証明書を出せる態勢にしてほしいと要請している」とし、テナントとの原材料の情報共有などで再発防止策に取り組むとしている。(長野県、信濃毎日新聞社)
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