県建設業厚生年金基金(長野市)の資金を横領したとして業務上横領の疑いで逮捕された元事務長坂本芳信容疑者(56)が、県警の調べに、基金内での自身の評価や給料などに不満があった―との供述をしていることが26日、捜査関係者への取材で分かった。県警は逮捕容疑の6440万円以外の業務上横領容疑で来週にも同容疑者を再逮捕する方針で、多額横領容疑事件に至った動機とこうした供述との関連を調べる。 捜査関係者によると、坂本容疑者は基金での処遇への不満のほか、横領容疑について単独犯行だったとの供述をしているという。 同基金では逮捕容疑を含め2005年6月~10年9月で総額23億8700万円余りが使途不明金となっている。同基金は、事実上1人で資産管理をしていた同容疑者が横領したとみている。 調べに対し坂本容疑者は、逮捕容疑以外の横領についても認め、その金は「全額、使った」と供述しているという。最初に同基金から横領したとみられる05年6月の額は4300万円余りと多額で、県警は、動機解明に向けて今回の逮捕容疑の10年7月より時点をさかのぼって追及する方針だ。(長野県、信濃毎日新聞社)
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