松本平南西部で毎春起きる砂嵐の対策に取り組む「松本南西部地域農地風食防止対策協議会」(事務局・県松本地方事務所)が、東筑摩郡朝日村内のレタス畑で、栽培に使わない部分でライ麦を育て土の飛散を防ぐ効果の検証に乗り出した。5日は同村古見の農家5軒が同協議会からライ麦の種を受け取ってまいた。今月中旬までに村内計10軒の7ヘクタールほどにまき、来春に結果の検討会を開く。 同協議会は2004年に県松本地方事務所や同村、松本、塩尻の両市、同郡山形村、周辺の農協などで発足。協議会によると、砂嵐は乾燥した土壌や風を遮る物がない地形などが原因とみられ、全国的に見ても大規模という。農家にとっては優良な土が飛ばされてしまうことになり、周辺住民にとっては洗濯物が汚れることなどが問題となっている。 同協議会はこれまでも農家に小麦や大麦の種を配って作付けを勧めてきた。だが、畑全体にまいたため、残った麦の根がその後の野菜栽培に影響しないかと懸念され広まらなかったという。 ことしは畑の端やトラクターが通る道など野菜栽培をしない場所にまくよう工夫。県の地域発元気づくり支援金を受け、低温でも生育が良い種類を使う。レタス栽培が始まる来年3月にはライ麦は20センチほどに成長する見通し。同協議会は「わずかでも被害を防げればいい」と期待している。(長野県、信濃毎日新聞社)
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