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東御「日本一のクルミ」凍霜害 品薄で値上がり、祭りも中止に

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 生産量日本一を誇る東御市産のクルミが、昨年春の凍霜害の影響で品薄になっている。価格は例年より1~2割ほど高め。信州うえだ農協(本所・上田市)東部くるみ部会によると、生産は市内の農家などの副業のため大きな影響は出ていないが、100万円ほど収入が減った人もいる。市内では冬場の食卓の常連と言える食材で、市民からも残念がる声が出ている。  市内の女性(57)は「クルミおはぎを作るのが毎年の楽しみ。今年はクルミがあまり手に入らないので、代わりにあんこを使った」と話す。あえ物にも欠かせないが、東御市では、殻を割ってそのまま食べるのが好きな人が多いという。  だが、昨年9~10月の出荷量は例年の3~5割で、この冬は手に入りにくくなっている。  東御市などの生産者らでつくる「日本くるみ会議」によると、昨年4月上旬の冷え込みで雄花(おばな)が傷み、実の数が激減。同市鞍掛で約40本を栽培する花岡澄雄会長(67)は「標高が600メートルより低い場所では花芽が出ていたため、特に被害が大きく、収穫量は例年の2割ほどだった」と話す。  東御市のクルミは、11月から春先にかけて市内外の店頭に並ぶが、同市滋野乙の道の駅「雷電くるみの里」の清水俊文駅長(72)は「農家に出荷をお願いしてかき集めている」。在庫がなくならないよう小出しにせざるを得ず、最近は1日3袋だけ売り場に並べている。価格も1袋(500グラム)で1400円と例年より2割ほど高い。  毎年11月に雷電くるみの里で開く「くるみ祭り」も、クルミの量が確保できずに中止になった。  同農協東部くるみ部会は昨年12月、クルミ農家に凍霜害対策を助言する講習会を東御市で開催。専門家が花の日当たりを良くする枝切りや、確実に実を付ける人工授粉などを指導した。部会長の土屋熊之さん(72)=東御市鞍掛=は「自然が相手なので不作は仕方ないが、やれる対策はしっかりやり、毎年安定した量を生産できるようにしたい」と話している。(長野県、信濃毎日新聞社)


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