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果樹共済に柿追加へ 「市田柿」凍霜害を機に

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 県農業共済組合連合会(長野市)と南信農業共済組合(伊那市)が、県内ではリンゴ、ナシなど現在4品目が対象の果樹共済について、同組合管内の南信地方で新たに柿を加える方針にしたことが9日、分かった。同組合管内では、昨年4月に発生した凍霜害で飯田下伊那地方特産の干し柿「市田柿」の原料生柿の収穫量が減少し、大きな被害が出た。しかし、柿が果樹共済の対象でなく、生産者が補償を受けられなかったことなどから、早ければ2015年度から品目に加える予定だ。  柿の共済掛け金や補償割合などは今後詰める方針。同連合会が現状の果樹共済制度を参考にした試算によると、生産見込み額が年間20万円の農家が、見込み額全体の7割を補償するコースに加入した場合、農家が負担する掛け金は標準で年額2800円となっている。農家の生産見込み額や補償割合に応じ、掛け金は変動する。  南信農業共済組合は昨年3月、果樹共済の対象に柿を加えるよう飯田市から要望を受け、県農業共済組合連合会とともに検討を開始。直後の同4月に凍霜害が発生し、柿に大きな被害が出たことから、柿の追加に向けて検討を本格化させた。  県農政部によると、県内の12年産の市田柿(生柿)の収穫量は9131トン。昨年4月の凍霜害では、飯田下伊那地方の市田柿を中心に計3億9700万円余(昨年5月末現在)の柿の被害があった。  同組合は昨年夏、上下伊那地方の生産者2770戸を対象に柿の共済への加入希望を問うアンケートを実施(回収1416戸)。加入希望は175戸(12%)で、加入を希望しないのは783戸(55%)だった。  同連合会の担当者は「加入希望者の割合は多くはないが、大きな凍霜害も発生しており、柿を追加したい」と説明。農家からは付加価値が高まる干し柿の価格での被害算定や補償を求める声も強いが、共済制度では加工前の生柿の被害額が補償の基準となる。  同組合は14年度、具体的な掛け金などを提示した上で再度アンケートを実施予定。加入を望む生産者の数を把握し、制度の詳細を詰める。同連合会は、加入者を増やすことで安定した共済制度にしたい考えだ。  昨年4月の凍霜害で、生柿の収穫量が大幅に減ったという飯田市鼎(かなえ)上山の竹村彦孝さん(60)は「昨年の大きな被害で、共済に加入することの大切さを感じた。制度ができるなら加入したい」と話す。同様に生柿収穫量が激減した同市立石の伊東克彦さん(70)は「柿の共済制度の内容を見極めて、加入するかどうか判断したい」としている。(長野県、信濃毎日新聞社)


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