縁起物の小物などをつるして飾る「ひな飾り」が15日、下伊那郡阿智村昼神温泉郷の旅館「石苔亭(せきたいてい)いしだ」で始まった。天井からつるしたり、棚に並べたりしたひな飾り計約2千個が朱色の空間を演出し、訪れた人を華やかな雰囲気で迎えている。 玄関に近い能舞台の天井から延びた何本ものひもに、それぞれ8~11個のひなをつるした。村特産のニンニクとリンゴをかたどった物や、冬季に同温泉郷に据えられる守り神「湯屋守様(ゆやもりさま)」などにちなんだ飾りもある。 今年は阿智村をアピールしようと、リンゴやニンニク、湯屋守様など、ほかのひなより一回り大きなひなを1本のひもに集め、能舞台の正面につるした。かつて宿泊した人などから借りたひな人形約250体も展示した。 おかみの逸見貴子さん(40)は「日本文化の魅力を感じてほしい」と話している。今月27~29日と3月1、15、16日を除き、4月3日までの午前10時~午後5時に見物することができる。無料。(長野県、信濃毎日新聞社)
↧