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県内、灯油も知恵も絞る冬 重ね着や壁に段ボール張り…

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 寒気をもたらすシベリア高気圧の勢力が強く、放射冷却による影響で、県内は14日に30観測地点中20地点、15日も3地点で今季の最低気温を記録するなど厳しい冷え込みが続く。円安の影響で県内の灯油の平均店頭小売価格は高騰しており、低温傾向は家庭や学校現場などには深刻だ。重ね着をしたり、段ボールを壁に張って保温効果を高めたりと、灯油を節約して過ごすことに知恵を絞っている。  「かなり寒い」。15日、長野市三輪のガソリンスタンドで近くの主婦畑山裕美さんは灯油をポリタンクに入れながらこう話した。娘2人が小中学校に通う。「ファンヒーターは絶対に欠かせない」と灯油の高騰を懸念。「はんてんを着たり、靴下を2枚重ねたり防寒を工夫しています」  佐久市の60代の女性は、息子と孫3人の5人暮らし。息子の収入と自分の年金で家計をやりくりしている。自宅にある灯油ストーブなど3台のうち居間のファンヒーター1台だけを使い、温度は13度に保ち、厚着する。女性は「家族が居間に集まるので、会話が増えた」と苦笑する。  経済産業省資源エネルギー庁の資料などによると、県内の灯油1リットル当たりの平均店頭小売価格は1月6日時点、102円70銭で5週連続の値上がりで、昨年1月7日時点の94円60銭と比べ8・6%増。石油情報センター(東京)によると円安の影響という。  山あいの伊那市高遠町山室に住む農業原千恵さん(62)宅は今冬から、室内の空気をかき回す送風機を置いた。大型のストーブは朝、小型のストーブは寒さが和らぐ日中の時間帯に―と使い分けて送風機の活用で室温を調整している。上伊那郡辰野町辰野の電気工事業倉沢久人さん(70)は縦2・4メートル、横90センチ、厚さ1センチの段ボールを数枚購入、自宅寝室の壁に張る。「少しでも保温効果が出れば」と話す。  公立学校では前年度実績などを基に各年度の燃料費などが予算化されており、灯油高騰は痛手だ。下高井農林高校(下高井郡木島平村)は昨年12月まで、油庫から各教室に運ぶ灯油を1リットルずつ減らす節約を試みたが、年明け以降の寒さで元に戻した。ストーブの火の調節などに気を配る。  上伊那農業高校(上伊那郡南箕輪村)は冬期間、花を育てるガラスの温室2棟の内側に放熱防止のビニールカーテンを張っている。藤沢昭二教頭は「温室の灯油を最小限にするように努めている」と話す。  こうした状況下、飯山市は市民税非課税世帯のうち、75歳以上の高齢者のみの世帯や、重度の障害者、要介護者がいる世帯などを対象に、灯油代として5千円を支給する市福祉灯油代支援事業を始める。市は15日付でこの事業予算500万円を専決処分。同市では灯油価格が高騰した2007、08年度にも同様の事業を行っている。(長野県、信濃毎日新聞社)


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