日本航空(JAL)が2010年5月末に撤退した県営松本空港(松本市)と大阪(伊丹)空港を結ぶ路線を、14年度については夏季の数カ月間に限定して連日運航する方向で検討していることが、信濃毎日新聞の取材で20日、分かった。使用する機体の確保を調整中で、近く発表する14年度の運航路線と便数計画の中で運航の可否などを示す。 10年1月に経営破綻した日航は、企業再生支援機構(現在の地域経済活性化支援機構)から公的資金3500億円の支援を受け、経営を再建。業績が回復したことから、植木義晴社長は昨年9月、経営破綻に伴い撤退した約40の国内路線のうち、10路線程度を14年度以降に復活させる方針を示し、松本―大阪線も検討対象となっていた。 同社広報部は「松本―大阪線が復活する可能性はあるが、調整中」としている。 松本―大阪線は、松本空港が開港した翌年の1966(昭和41)年8月に観光臨時便としてスタートし、主に夏から秋の季節便を経て、82年に通年運航になった。ジェット化開港した94年以降の利用率はおおむね40%後半~60%程度で、5月末で日航が撤退した2010年度は47・9%だった。所要時間は約1時間で、開港以来の利用者は延べ約146万人。 日航の撤退に伴い、札幌、福岡の2路線は10年6月1日にフジドリームエアラインズ(FDA、静岡市)が引き継いだが、FDAも採算性から大阪線の継続は断念していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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