県は21日、新型インフルエンザの発生に備える訓練を県庁や各地方事務所で実施した。県民への情報提供や、感染拡大の防止策を定めた新型インフルエンザ対策行動計画を昨年11月に策定し、初めての訓練。政府がこの日行った訓練に合わせ、県対策本部を設け、県内77市町村や10地方事務所などへの連絡の手続きを確認した。 海外でH7N9型の鳥インフルエンザが発生し、人から人にも感染しているとの想定で実施した。訓練は午前8時半、政府から県危機管理部に「新型インフルエンザが発生し、政府対策本部を設置した」との連絡が電子メールで入った。県は新型インフルエンザ対策特別措置法と県行動計画に沿い、県の対策本部と地方事務所ごとに現地機関による組織(地方部)を設置。市町村や県医師会、ガス会社などにも状況をファクスで伝えた。 午前10時からは県庁で県幹部らの本部員会議を開催。帰国者らが健康状態を相談するためのセンターや、新型インフルの専門外来の設置を決め、保健所や医療機関などの関係機関に連絡した。午前11時からは各地方事務所で地方部会議も開いた。 対策本部長を務める阿部守一知事は本部員会議で、「新型インフルは生命、経済、社会活動に大きな影響を与える恐れがある。さらに参加団体を広げるとともに、さまざまな訓練もして万全の準備をしていく」と述べた。 県の試算では、ウイルスの毒性が強い場合、県内の患者数は最大42万人、死者は同1万1千人。1日当たりの最大入院患者数は7千人を見込む。(長野県、信濃毎日新聞社)
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