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リニア駅舎「伊那谷らしく」 県の「基本構想」素案判明

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 JR東海が2027年の東京―名古屋間開業を目指すリニア中央新幹線整備を地域振興に結び付ける県の指針「リニア活用基本構想」の素案が21日、分かった。上伊那地域から飯田下伊那地域を「伊那谷」、諏訪・木曽・松本地域を「リニア3駅活用」、長野県全域を「本州中央部広域」とする3つの交流圏を設定。それぞれの目指す姿を示した。JR東海が飯田市に整備し、外装や機能の追加を地元が負担するリニア駅舎は「長野県らしさや伊那谷らしさを感じる駅舎デザイン」にするとした。  県が産業振興を含めたリニアの整備効果を波及させる具体策を示すのは初めて。素案は関係地域の意見を踏まえて近く公表し、県民意見を募った上で本年度内に決定する。  「伊那谷交流圏」は、リニア整備で首都圏と中京圏の中間にある地理的条件を生かして、学術・研究機関や研究開発型企業などを集めた「知の集積地」化や、国際会議やイベントなどの誘致を進めると記載。移住先としての魅力づくりにも取り組むとした。  「リニア3駅活用交流圏」は、長野、山梨、岐阜3県のリニア駅活用に向け、諏訪・松本地方と山梨県駅を結ぶ高速バス路線の開設やJR中央本線の利便性向上、3県連携による広域観光振興などを挙げた。北陸新幹線(長野経由)とリニア中央新幹線の中間に位置する松本地域では、二つの新幹線を結び付けた広域観光ルートづくりを進める。  「本州中央部広域交流圏」は、北部に北陸新幹線(長野経由)、南部にリニア中央新幹線がある長野県を日本海と太平洋を結ぶ交流の軸とし、人や物の流れをつくり出すとした。  リニア県内駅は、南アルプスを背景に天竜川を通過するリニア車両を駅構内から眺望できる施設を検討。JR飯田線への乗り換え利便性の確保のため、新駅設置の検討を進めると明記した。飯田線を観光資源としてアピール、「世界最速の列車」と秘境駅などの組み合わせによる誘客も提案した。防音防災フードがない天竜川を渡る橋付近は、南アルプス、中央アルプスを背景にリニア車両が見える絶景ポイントとしてPRする。  構想の目標年次は27年。リニア開業で移動時間短縮や交流人口拡大などが期待できるとする一方、大都市部に人が流出する「ストロー現象」や自然・生活環境への影響などの懸念も示し「プラス面を最大にし、マイナス面を抑制していくことが必要」とした。(長野県、信濃毎日新聞社)


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