薄味を心掛けて食生活改善を―。各家庭で日ごろ工夫している塩分控えめの料理を普及させようと、減塩料理のコンテストが26日、伊那市保健センターで開かれた。市食育推進会議が初めて企画。野菜そのものの味を生かしたり、だしをふんだんに使ったりと、アイデアいっぱいの5種類のメニューを考案した市民らが手際良く調理し、審査員が試食した。 伊那市は本年度から5年間の第2次食育推進計画で、食育による生活習慣病の予防や改善を目標の一つに掲げ、減塩対策に力を入れている。同会議は昨年11月、1食の塩分が3グラム未満で、上伊那地方産の野菜を1種類以上使うなどの条件でレシピを募集。12月の書類審査でコンテストに進む5種類を選んだ。 この日は、市内の主婦や料理好きの男性らが、エリンギや豚肉、ブロッコリーなどを1時間ほどかけて調理。チーズなどの食材に含まれる塩分以外は極力加えない人もいた。同会議役員など審査員6人が、栄養バランスや見た目、普及のしやすさ、独創性といった基準で食べ比べた。 最優秀賞に選ばれた同市中央の主婦有賀喜志子さん(72)は、ダイコンやニンジンなど具だくさんのシジミのみそ汁やマダラのホイル蒸しを調理。「塩分を抑えてもシジミのだしでしっかりと味が出るよう工夫した。昔ながらの家庭の味だが、少しでも参考になればうれしい」と話していた。 料理のレシピは市のホームページに掲載する。市内の調理教室などでも紹介し、減塩の普及に役立てる。(長野県、信濃毎日新聞社)
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