安曇野市明科中川手の犀川で27日、くちばしや首に釣り糸が絡まったコハクチョウの幼鳥1羽が見つかった。地元の白鳥の会会員らは、写真撮影のために餌で犀川におびき寄せられ、釣り糸に絡まった可能性もあると指摘。「釣りを自粛している御宝田遊水池にいればこんな事故にはならない。ハクチョウのためにやめてほしい」と釣り客や写真愛好家の協力を求めている。 御宝田白鳥の会の滝沢建二さん(66)によると、ハクチョウ飛来地の御宝田遊水池の観察小屋にいた午前11時ごろ、犀川上流側から多数のハクチョウが一斉に飛んできた。確認に行くと、中州でもがいている幼鳥を見つけた。 連絡を受けたアルプス白鳥の会の会田仁さん(64)が写真を撮って確認すると、くちばしや首に釣り糸が絡まり、頭部に釣り針のような物が引っ掛かっていた。2人で保護を試みたが、感づいて御宝田遊水池に飛んでいった。 会田さんは「釣り糸が自然に取れるとは考えにくい。できればハクチョウ飛来地近くでは釣りを自粛してほしい」とする。近年、北アルプス常念岳を背景にハクチョウが飛ぶ姿を撮影しようと、犀川で餌を与えてハクチョウをおびき寄せる人もいるという。 釣り具が関連した被害は、2006年1月、犀川白鳥湖でコハクチョウ1羽が死に体内から鉛の重りが見つかった例などがある。(長野県、信濃毎日新聞社)
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