信号機を使わない円形交差点ラウンドアバウトの普及に取り組む自治体が集う「ラウンドアバウトサミットin飯田」が27日、飯田市で2日間の日程で始まった。中心市街地に昨年導入した同市をはじめ、安曇野市や須坂市、北佐久郡軽井沢町を含む県内外7市町でつくる実行委員会が「全国に普及促進の輪を広げよう」と初めて企画。全国から行政関係者ら200人余が集まり、専門家の講演や各地の事例報告を通してラウンドアバウトへの理解を深めた。 サミット冒頭、実行委の7市町を中心に「ラウンドアバウト普及促進協議会」を設立することが発表された。普及に向けた情報発信や、国などに支援を求める活動をしていく方針で、5月ごろの設立を予定している。実行委員長の牧野光朗・飯田市長は取材に「協議会の設立でラウンドアバウトの継続的な普及促進を図っていく」とした。 ラウンドアバウトは、交差点に向かう車両は一時停止後、左折して円形道路に入り、時計回りに進んで目的の方向に抜けていく。近年は導入に向けた社会実験が各地で行われている。飯田市での実験に携わった名古屋大大学院の中村英樹教授は講演で、交通事故の抑制や無駄な待ち時間の解消、経済性の高さなどの長所を説明。停電時にも交通が制御されるため、「災害の多い日本で導入の意義が高い」と述べ、上手に活用することで「魅力あるまちづくり」につながるとした。 静岡県小山町、滋賀県守山市、静岡県焼津市を含む実行委の7市町がそれぞれの導入に向けた取り組みを紹介。安曇野市は来年春、須坂市は今年秋にそれぞれラウンドアバウトの完成を目指している。 28日は、信号機を撤去して整備された飯田市東和町のラウンドアバウトを参加者が視察する。(長野県、信濃毎日新聞社)
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