壊れた本も直して大事にして―。塩尻市の市民交流センターえんぱーくで27日、破損した本の修理講習会が開かれた。中信地方の図書館職員ら約30人が参加。東京都内の専門業者から本格的な修理方法を学び、実際に作業した。 講師で図書館用品などを扱うキハラ(東京)の製本アドバイザー高尾斉さん(68)が、本は表紙部分とページの塊の「中身」で出来ており、表紙内側の見返しやガーゼ状の寒冷紗(かんれいしゃ)でつながっていると説明。参加者は用意された本や持参した本を分解。古い寒冷紗を取り換えたり、中身の背にクラフト紙を貼って補強したりして直した。 組合立両小野中学校(塩尻市)の図書館司書赤羽麻依さん(25)はこれまでテープで簡易な修繕をしていたといい、「本格修理をすれば長持ちする。時間がある時にやってみたい」と話した。 講習会は、活字離れと言われる時代に本の魅力を発信しようと、塩尻市と市教委が主催する連続講座「信州しおじり本の寺子屋」の一環。(長野県、信濃毎日新聞社)
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