2月に打ち上げ予定の信州製超小型人工衛星「ShindaiSat(シンダイサット)」(愛称・ぎんれい)が29日、茨城県つくば市の宇宙航空研究開発機構(JAXA)筑波宇宙センターに運び込まれた。機体の外観検査などの最終チェックをし、約1カ月後に迫った打ち上げ本番に備える。 ぎんれいは、信州大(本部・松本市)が県内企業などと協力して開発。一辺約40センチの立方体で、衛星に搭載した発光ダイオード(LED)を使って地上とデータをやりとりする「可視光通信実験」などを、打ち上げ後約1年間にわたって行う計画だ。 信大と信濃毎日新聞社(長野市)は2012年8月に連携・協力協定を締結。これに基づく事業の第1弾として今回打ち上げられる衛星の愛称を全国から公募し、「ぎんれい」に決めた。 学生らは29日朝、長野市若里の信大工学部キャンパスでぎんれいを透明のアクリルケースに入れ、台車に載せて車に積み込み出発した。午後1時近くに筑波宇宙センターに到着。中心になって取り組んできた中島厚・工学部特任教授も立ち会って、センター職員に引き渡した。 JAXAなどによると、ぎんれいは2月28日午前3時7分から午前5時7分の間に、種子島宇宙センター(鹿児島県)から発射するH2Aロケット23号機で打ち上げられる。23号機には、地球ほぼ全域での降水の様子を観測する「全球降水観測計画衛星」や、信大以外にも香川大、筑波大などが開発した計7基の小型衛星が相乗りする。(長野県、信濃毎日新聞社)
↧