2009年に橋桁のひび割れや剥離が88カ所で見つかった岡谷ジャンクション(岡谷市)の高架橋について、中日本高速道路は29日まで3日間、5年ぶりとなる定期点検を行った。地上50メートルの高所で、橋桁をハンマーでたたくなどして異常の有無を検査。同社は、現段階で大きな異常の報告はないが、新たな剥離箇所などが確認されており、詳細な結果を踏まえ対応を考えるとした。 点検はアームの先端にゴンドラの付いた点検車2台を使用。中央道に差しかかる長野道上り線に車を止め、アームを伸ばして橋桁側面や下面を点検した。 中日本高速道路の松本保全・サービスセンター(松本市)によると、橋桁は最大7メートル余の厚みがあるため、橋桁下面の点検には、アームが長い特殊な点検車を使った。今回の点検では検査できなかった箇所もあるため、大岩春仁副所長(52)は「早くやりたい」とした。ただ、点検車の確保などの制約があり、時期は明言しなかった。 点検を担当した関連会社の作業員は、橋桁をハンマーでたたいたり、目視で確認したりしながら異常の有無を検査。新たに確認された剥離箇所は白線で印を付けた。中日本高速道路は09年の異常箇所に応急対策で落下防止のネットを張っており、4月以降に橋桁全体を繊維シートで覆う予定だ。今回見つかった剥離箇所などで応急対応が必要となった場合は、シート施工を待たずにネットを張る考えだ。(長野県、信濃毎日新聞社)
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