連合長野(中山千弘会長)は5日、県経営者協会(山浦愛幸会長)に2014年春闘の要求を申し入れ、県内の労使交渉が本格的に始まった。連合長野は、企業労働者の賃金体系全体を底上げするベースアップ(ベア)を5年ぶりに要求し、月給ベースで9500円を目安に賃上げすることを求めた。県経協は同日の理事会で、ベアを容認する対応方針を決定。ただ一律の賃金改定は否定しており、各社の業績回復の度合いに応じた賃上げの動きとなりそうだ。
連合長野は、年齢が一つ上がるごとに自動的に賃金が上がる「定期昇給(定昇)」に相当する賃金カーブ維持分で4500円、ベア分として5000円の賃上げを求めた。物価が上昇局面で、4月に消費税増税も控えているとし、デフレ脱却には「個人消費の押し上げが鍵」と訴えた。
県経協は経団連の指針に沿い、「業績回復している企業がベアや適正な賃金引き上げを行うことを否定するものではない」とした。だが、県内には景気回復が十分浸透せず、消費税増税や円安による原材料費高騰など不安要因も多いと指摘。一律にベアができる状態にはないとし、賞与・一時金での対応も含め、各社の労使が決めるべきだとの原則を示した。(長野県、信濃毎日新聞社)
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