75歳以上が加入する後期高齢者医療制度で、県内の1人当たりの平均保険料が4月以降、年額で現在より2550円(5・04%)高い5万3101円になる見通しであることが9日、県内の全77市町村でつくる県後期高齢者医療広域連合の試算で分かった。 お年寄りの医療費が増加傾向で、4月の消費税増税に伴って医療の公定価格の診療報酬が0・1%引き上げられ、同広域連合が医療機関に支払う金額が増えるため。年金収入の金額によっては保険料が減額となる世帯もあるが、加入者には消費税増税などとともに、負担増が重なる。 今回試算したのは2014、15年度分の保険料。後期高齢者医療制度は08年度に始まり、保険料の改定は10年度、12年度に続き3回目となる。今月21日の同広域連合2月議会に保険料を改定する条例改正案を提出する。 保険料は年収によって異なり、年収の少ない世帯などを対象にした軽減措置もある。県後期高齢者医療広域連合の8通りの試算(年金収入のみの単身世帯)によると、9割の軽減措置がある年収80万円の世帯は保険料改定で200円増の4千円となる。軽減措置がなくなる年収250万円の世帯は1万円増の11万8900円。保険料の上限は2万円増の57万円とする。 一方、国が軽減措置を拡大するため、年収192万5千円の世帯では8800円減の3万6100円、年収211万円の世帯は3600円減の5万5700円などとなる。 同広域連合が14年度に医療機関に支払う金額は、前年度より約42億円増えて2528億3千万円になる見通し。保険料の引き上げ率を抑えるため、同広域連合は13年度末の剰余金と、国や県、市町村が支出する財政安定化基金の合わせて約19億円を活用。前回改定時(5・13%)とほぼ同じ引き上げ率にした。(長野県、信濃毎日新聞社)
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