佐久市周辺で11日から13日までの3日間、夜間にジェット機のようなごう音が聞こえたとの苦情や問い合わせが同市役所などに相次いだ問題で、防衛省北関東防衛局(さいたま市)が11、12日については「佐久市中心部から15マイル(約24キロ)離れた地域で米軍機の飛行があった」と県に回答していたことが19日、分かった。同局が、米軍横田基地(東京)にある第5空軍司令部に確認したが、米軍側は詳しい場所や機数、機種などは明らかにしなかったという。同局は13日は「米軍機の飛行はない」と県に回答した。 「佐久市中心部」の場所は明らかになっていないが、仮に市役所付近とすると、半径約24キロの範囲に、北は浅間山の北側付近、南は南佐久郡南牧村のJR海尻駅付近、東は妙義山(群馬県)の南側付近、西は小県郡長和町役場和田庁舎の北側付近が入る。ごう音に対する苦情や問い合わせは、佐久市のほか、小諸市、北佐久郡軽井沢町、御代田、立科各町などの住民からも役場などに寄せられた。 佐久市などと隣接する群馬県内では10年以上前から渋川市などで、米軍ジェット機のごう音の苦情が相次ぎ、県が毎日騒音を測定している。 米軍を監視する市民団体「リムピース」の頼(らい)和太郎編集長(65)=千葉県習志野市=によると、渋川市付近には米軍の訓練空域があり、11、12日は午後6時前ごろに厚木基地(神奈川県)を飛び立った数機の艦載機がこの空域に向かったという。頼さんは「同じ艦載機が佐久方面にも向かった可能性がある」としている。 在日米軍司令部は19日、担当者が不在だった。(長野県、信濃毎日新聞社)
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