Quantcast
Channel: 信濃毎日新聞
Viewing all articles
Browse latest Browse all 7401

「あずさ」利用者ら安堵と不満 「情報出してほしい」

$
0
0

 14日の大雪から6日目となった19日、JR中央東線は普通が部分的に運行を始め、運休が続いていた特急あずさ、スーパーあずさも最終の松本発、新宿発の各1本が動きだした。沿線の住民や列車を利用する人たちからは、運行再開に安堵(あんど)の声が出る一方、運休が長期間続いたことに不満が漏れ、関係機関への注文も聞かれた。  午後8時前、松本駅。出張で19日午前に長野新幹線経由で県内入りした神奈川県の会社員府川栄治さん(35)は、駅で最終の特急スーパーあずさが走ると知り、同僚と共に急いで列車に乗った。府川さんは「あずさは自然災害の影響を受けやすいので、計算しにくいね」。  午後8時25分、諏訪市の上諏訪駅から特急に乗り込んだ会社員男性(61)は、単身赴任先の神奈川県から諏訪市の自宅に戻ったところ、中央線が不通に。17日から3日間、やむなく会社を休んだ。「駅に問い合わせても見通しが分からず、毎日夕方のニュースで確認していた」という。  特急あずさ、スーパーあずさの運休は14日午後から続いていただけに、影響はさまざまな方向に及んだ。  松本市の松本駅に近いホテルでは特急あずさなどが運休した影響で、17日までは通常より宿泊客が多く、満室の日もあった。一方で東京方面からのキャンセルもあるなど、混乱した。担当者は運行再開を知り、「お客さまの大事な足なので安心した」。諏訪市の上諏訪駅構内の売店で働く女性は「特急のお客が来なかったので飲み物や弁当の売り上げが減っていた。ようやく普通に戻る」と期待した。  特急あずさが動きだしたことについて、松本市観光温泉課の山田正課長は「とにかくほっとした」。同課が17~19日に市内のホテルや旅館組合などに大雪の影響を聞き取ったところ、特急の運休が原因のキャンセルが相次いでいたという。山田課長は「松本にとって観光上の大動脈である中央東線の運休の影響は大きい。早く通常運行に戻してもらい、観光客に戻ってきてほしい」と話している。  19日は普通列車の運行も一部区間で再開された。  通勤で諏訪郡富士見町の富士見駅から茅野市の茅野駅まで中央東線を利用している富士見町落合の会社員得能優美さん(59)は「会社を欠勤していたので、再開してひと安心。JRからの情報が少なく、毎日駅に電話で聞き、会社に説明しなければならなかった。通勤や通学でたくさんの利用者がいるので、きちんと情報を出してほしい」。  町内の会社員片岡雅大さん(38)は20日の会議に出るために、山梨県の小淵沢駅乗り換えで東京に向かった。「特急が再開しないと困る。新幹線で長野回りで帰ることも考えている。昨冬は中央道の笹子トンネル事故があり、今年は大雪と災難が続く」と不便さを訴えていた。  14日夜、東京出張の帰りに乗った特急あずさが石和温泉駅(山梨県笛吹市)に停車し、車内で夜を明かした松本市の会社役員男性(41)は、仕事でも私生活でも特急あずさを頻繁に使うといい、「松本や諏訪の生命線でもあるので、非常時の行動ルールを大勢が共有できる仕組みも必要ではないか」と話した。(長野県、信濃毎日新聞社)


Viewing all articles
Browse latest Browse all 7401

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>