全面結氷した諏訪湖の氷がせり上がる「御神渡(おみわた)り」の判定や記録を担う八剣神社(諏訪市小和田)は23日、今冬の様子を祭神に告げる「注進奉告(ちゅうしんほうこく)式」を同神社で開いた。一時全面結氷し、3季連続の出現が期待されたが、氷はせり上がらず、御神渡りが現れなかったことを記した注進状をささげた。 総代ら約30人が参列。宮坂清宮司(63)は「明けの海にて、御渡(みわた)りござなく候」と注進状を読み上げた。境内では、御神渡りの拝観式で使うために作ったしめ縄を燃やす「おたき上げ」もあり、総代らは燃え上がるしめ縄を残念そうに見守った。 八剣神社によると、今冬の諏訪湖は1月16日に全面結氷したが、厳しい冷え込みは長続きせずに2月12日までに氷はほぼ解けた。宮坂宮司は「今年は寒い冬と言われていただけに残念。日ごとに日差しが強まり、春の訪れを感じる陽気になってきた。穏やかな年になるよう願っている」と話していた。 式の後、総代らは諏訪市中洲の諏訪大社上社本宮に注進状を奉納。大社は近く、宮内庁と気象庁に注進状の内容を伝える。(長野県、信濃毎日新聞社)
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