農林水産省は24日午前、記録的な大雪で被災した農家への支援策を発表した。長野県内でも被害が大きい農業用パイプハウスの再建支援では、これまで補助対象ではなかったハウスの撤去にかかる費用を新たに助成。果樹栽培では、被害を受けた果樹の植え替えや栽培棚の設置にかかる費用の補助などを盛り込んだ。 農業用ハウスの再建支援は既存の「被災農業者向け経営体育成支援事業」の対象を拡大。倒壊、損壊したハウスの再建や修理、撤去にかかる費用の30%を国が補助する。 同省のまとめによると、大雪による農業用ハウスの損壊は長野県など31都道府県で1万4500件余が確認されている。同省は支援事業の申請に当たり、被災農家に施設の被害状況を写真などで保存しておくよう呼び掛けている。 果樹栽培では、大雪の被害を受けた栽培棚を造り替えるための資材費など設置にかかる費用の50%を国が補助。苗木の購入費など植え替えにかかる費用の一部を国が助成するほか、農家が果樹を植え替えてから収穫するまでの間の経費も支援する。 このほか、被災農家に貸し出す日本政策金融公庫の融資を5年間無利子とすることや、農業法人が雇用維持のため従業員を他の農業法人に派遣する際の費用の助成などを盛り込んだ。 同省経営局は「現場のニーズを踏まえ、追加対策を検討する」と説明。国の補助割合の引き上げも検討する。 一方、長野県の和田恭良副知事は24日午前、農水省を訪れ、農業用ハウス再建のための資材確保など7項目を皆川芳嗣事務次官に要請。皆川氏は「今までの支援策にとどまらず、いろいろなメニューを考えていく」と応じた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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