安曇野市にハクチョウが飛来して30シーズンになったのを記念し、同市のアルプス白鳥の会が小冊子「安曇野白鳥飛来30年の記録」を作った。飛来地の犀川周辺の環境整備や鉛中毒から守る活動の歩み、電線衝突死やけがで北帰行できなかったハクチョウのことを記載。3月1、2日に市内で開く日本白鳥の会研修会で、参加者に配る。 A4判14ページ。1984(昭和59)年12月にコハクチョウが初飛来してからの出来事を年表にし、写真を添えた。87年は犀川のハクチョウがカヌーが近づいたのに驚いて全て飛び去った。5町村合併で安曇野市が誕生した2005~06年のシーズンには、過去最高の2398羽が来た。一方、翌シーズンは、猟銃の散弾や釣りの重りをのみ込んで起こる鉛中毒などで8羽の死亡が確認された。 96~97年はアルプス白鳥の会が中心になって鉛中毒からハクチョウを守る署名活動を全国的に展開。約2万人の署名を当時の環境庁に提出して法規制を求めた。この経緯は、毎シーズン発行している「白鳥通信」の記述を転載して紹介した。 編集を担当した同会事務局の会田仁(まさし)さん(64)=安曇野市穂高有明=は「うれしいことや悲しいことを含め、活動の全てを知ってもらえると思う」と話している。 日本白鳥の会が年1回開く研修会は1日午後2時から、豊科南穂高のビレッジ安曇野で。各地の白鳥の会会員らが活動内容を報告する。誰でも無料で聴講できる。2日はハクチョウ飛来地の犀川白鳥湖と御宝田遊水池を見学する。(長野県、信濃毎日新聞社)
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