県看護大(駒ケ根市)は25日の2次試験前期日程の小論文で、妊婦の血液検査で胎児の染色体異常を調べる「新出生前診断」について報じた新聞記事を読み、考えを700字以内で述べさせる問題を出した。同大入試検討委員長の北山秋雄教授は「医療に関わる学生を育てる大学として、新出生前診断に対する知識や善い悪いを別にした価値観を論理的に述べられるかどうかを問うた」としている。 記事は昨年11月23日付の信濃毎日新聞朝刊に掲載。新出生前診断をしている病院のグループが学会で発表した実施件数や、診断後に染色体異常が確定した人のうち中絶を選択した人数などを取り上げた。 北山教授によると、県看護大が試験問題で新聞記事を使ったのは初めて。「90分の試験時間と700字以内という制限の中で、今日的な問題を取り上げた記事の長さや分かりやすさから出題に適していると考えた」とし、「医療者としてだけでなく、将来、親として直面するかもしれない問題を問い続ける意識を持ってもらうことにもつながると思う」とも話している。(長野県、信濃毎日新聞社)
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