北佐久郡軽井沢町の軽井沢中部小学校5年2組(29人)は28日夜、昨年夏から準備してきた「暗やみ美術館」を校内に開館した。2月14日に予定したが、インフルエンザによる学級閉鎖と豪雪の影響で2度延期。年度末になって開催が危ぶまれたが、児童の強い思いで実現した。家族やほかのクラスの児童ら約100人が来場。段ボールや新聞紙を材料に、光、におい、手触りなどで感じ取るアイデアいっぱいの展示を楽しんだ。 この日限り、1時間だけの開館で、教室や音楽室、廊下、トイレなどを会場にした。くりぬいた段ボールにライトを当て「5―2」の文字を天井に投影する展示や、紙にひもで描いた「☆」「魚」などの記号や文字を手触りで読み取るコーナーも。真っ暗なトイレ内部を懐中電灯で照らすとお化けの絵がいっぱい。薄暗い廊下には、お祭り気分を味わえる花火や屋台の絵をたくさん飾った。 日程をやりくりした担任の跡部定一教諭(39)は「(美術館は)駄目かと思っていたら、児童がどうするのと心配して聞いてきた」。児童は「(学級閉鎖などで遅れ気味だった)算数をいつもより頑張ったし、休み時間も遊ばないで準備した」と誇らしげだった。 実行委員長の行田優羽さん(11)は「これから転校する子がいて、何がなんでもやりたかった。たくさんの人に喜んでもらえて、頑張ってきたかいがあった」。転校する森川日菜歩さん(10)は「1年かけた作品なので、開くことができて良かった」と喜んでいた。(長野県、信濃毎日新聞社)
↧