諏訪郡原村の八ケ岳中央農業実践大学校は1日、1月から冬季休業中だった校内の花の直売所を再開する。2月14日の豪雪で寮生活の学生や職員約50人が一時孤立、備蓄のジャガイモや鶏卵で食べつないだ。花用のガラスハウス、鶏ふん処理施設や餌のタンクなど約20棟が壊れたが、春の庭を彩るパンジーやビオラを用意。学生は気を取り直し、何とか予定に間に合わせた。 大学校は村中心部から離れた八ケ岳山麓にあり、全寮制。積雪は1メートル以上に達し、道路の除雪も間に合わず、学生が朝、昼、晩とも使う食堂の業者スタッフが通って来られなくなった。やむなく、自分たちで収穫したジャガイモをふかし、鶏舎の卵をゆでて2日間ほどしのいだ。 乳牛やニワトリの世話は欠かさなかった。搾乳したが、引き取る業者が来ずに、一時タンクがいっぱいになったこともあった。教官助手の増田光彦さん(40)は「雪の被害で学生は落ち込んでいたけれど、気持ちを切り替えて春の花を育てている」と話す。 直売所では、花卉(かき)専攻の学生3人が昨秋から育ててきた花の苗を売る。約90種類3万5千ポットを用意。紫と黄色が花ごとに異なる混じり方になるビオラや、「イチゴのミルフィーユ」などと食べ物の名前がついたプリムラなどもそろえた。苗は80円から。寄せ植えもある。12月まで。3月は4日と18日が休みで、4月以降は無休。問い合わせは直売所(電話0266・74・2175)へ。(長野県、信濃毎日新聞社)
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