農林水産省は3日、関東甲信地方を中心とする2月の豪雪で被害が出た農家の追加支援策をまとめた。ハウスなど生産設備を再建する費用の国の補助割合をこれまでの3割から5割に引き上げる。壊れた設備の撤去費用は、県や市町村の補助と合わせ、農家の自己負担がゼロになるよう補助する。 「被災農業者向け経営体育成支援事業」を特例で拡充。再建費の残り5割について、県や市町村が補助を上乗せした場合、その7割を特別交付税で財政支援する。原状復帰の再建を対象とするだけでなく、再建に合わせて強度向上する場合も、原状復帰分までの費用が補助対象となる。 撤去の補助は、地方自治体の5割負担が前提。設備の構造に応じて国が必要と算定した一定額を補助する。ガラスハウスは1平方メートル当たり1200円、鉄骨造りでないハウスは同290円。自力で撤去した場合も同110円を補助する。地方負担分の8割を特別交付税で支援する。 また、野菜や水稲の種苗が不足する恐れがあるため、種苗の運搬にかかる費用も国が全額相当を補助する。 県農政部の2月28日現在のまとめでは、県内67市町村でハウスや農作物などに計54億600万円余の被害が発生。ハウス損壊は8362棟に上り、ハウスの下敷きになった野菜や花が出荷できなくなる被害も出た。 同部は農水省の追加支援策を受け、「補助の枠組みをどう活用するか検討していく」としている。県は、植え替え用の苗やハウス資材の購入費などを補助する「農作物等災害緊急対策事業」の発動を視野に支援策の準備を進めており、ハウス再建に必要な除雪への支援も検討しているという。(長野県、信濃毎日新聞社)
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