日本学生野球協会は4日、松商学園高校(松本市)の硬式野球部について、部内で暴力行為などがあったとして、2月13日から6カ月間の対外試合禁止処分とした。今夏は県大会に参加できず甲子園出場の道も断たれた。同部は昨年創部100周年を迎え、これまで夏の甲子園には全国最多タイとなる35回出場している(春の甲子園は15回)。 学校によると、暴力行為は昨年5月から8月の間、部員が暮らす寮で発生。3年生2人と2年生4人が、1年生6人に対して複数回、拳で胸を突いたり、腰を蹴ったりした。上級生たちは「野球や生活上の指導の一つ」などとして暴力を振るったという。被害者にけがはなかったという。 このほか昨年7、8月に2年生1人が、1年生1人に自身の自転車のパンクなどを修理させて代金を払わなかったり、同11月には、同じ1年生部員が所有する自転車を別の2年生が無断で使用して登校したことも処分の理由となった。被害を受けた生徒の親は「同じような思いをする生徒が二度と出ないようにしてほしい」と話している。 学校によると、昨年12月上旬に保護者から情報があり、生徒指導の教諭が調査したが「確認できなかった」という。今年、対象を広げて調査し、暴力行為などが発覚。2月12日に県高野連に報告した。 学校で記者会見した金井貞徳校長は最初の調査で発覚しなかったことについて「年末まで力を尽くした」と説明し、「野球部は学校のシンボル。校長として、責任を痛感している」と謝罪した。 同校は2日、野球部の保護者に説明。部員たちには4日、足立修監督が話をしたという。金井校長は監督など指導者への処分について、「いまは申し上げられない」と述べた。 松商学園硬式野球部OB会の元会長の末岡幹也さん(74)=松本市=は「残念で悲しい。新チームになって名誉を挽回してほしい。前向きに支援したい」と話していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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