JR東日本の冨田哲郎社長は4日の定例記者会見で、2月14、15日の記録的豪雪の影響で中央東線や小海線などで列車の運休、遅れが相次いだことについて、「乗客や沿線住民に多大な心配と迷惑を掛けたことを深くおわびする」と謝罪した。中央東線小淵沢駅(山梨県北杜市)で除雪に使った機関車が脱線し、その事実を公表しなかった問題に関連して、中央東線の除雪態勢や情報提供の在り方について見直す考えも示した。 冨田社長は、中央東線で特急あずさなど14本が足止めとなったのは、14日深夜から15日未明にかけて、進行方向を切り替えるポイントが不転換を起こし、多くの駅で架線の切断が起こったことなどが要因と説明した。 山梨県など八王子支社管内には除雪車がないため、JR東日本は長野、新潟両支社などから除雪用の車両や要員を確保した。冨田社長は「今後は大量の降雪を前提に考えざるを得ない」とし、「(除雪車両など)資機材の配置についてどの程度を配置するべきなのか検討したい」と述べた。ポイントの融雪装置を今後2年程度の間に拡充する方針も示した。 機関車の脱線は2月16日の日中に発生したが、JR側が山梨県内で足止めされた特急の乗客らに事実関係を説明したのは17日夕で、正式な発表もしなかった。復旧の見通しについても十分な説明がなかった。これに対する記者会見での質問に、冨田社長は「十分な情報提供ができなかったという反省点があったと考えている」とし、「除雪に要員を割き、情報提供の面に労力を割くことができなかった」と説明した。(長野県、信濃毎日新聞社)
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