飯田市内の20~40代の果樹農家ら8人でつくる「うまい!フルーツクラブ」が2月下旬、農産物の輸出を目指して香港を訪れ、果物などを販売した。現地の百貨店に持ち込んだ飯田下伊那地方産のリンゴ千個と干し柿の「市田柿」600個は4日間でほぼ完売したという。10日に市役所を訪れて報告した農家らは、輸出の本格化に向けて意欲的だった。 クラブ代表の吉川一弘さん(45)=飯田市桐林=ら4人が2月20~23日に香港を訪れ、日本国内の約20自治体が参加して百貨店「香港そごう」の食品売り場で行われた名産品展会場にブースを開設。市場調査もしたという。 クラブは、リンゴ「ふじ」を1個350~400円、市田柿は200グラム入りパックを千円で、1個入りを330円で販売した。市田柿の横幕を掲げて試食品を提供し、食感や甘さに評価が高かったという。 市役所でクラブ側は「(市田柿を)ドライフルーツとして勧めると、反応が良く、購買に結び付いた」と説明。吉川代表は輸出についてさらに勉強し、「継続的な輸出に結び付けたい」と話していた。 市は2005年度から、台湾や東南アジアへの販路拡大に向けて地元農産物の輸出を後押ししている。飯伊地方から香港への輸出実績はあるが、市の支援で栽培農家が現地を訪れて販売したのは今回が初めて。(長野県、信濃毎日新聞社)
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