下伊那郡大鹿村の住民らでつくる「大鹿の100年先を育む会」が、村内でリニア中央新幹線の建設予定地などを映像に残す活動を始めた。リニア建設で変化していく村の様子を記録し、後世に伝える狙い。リニアの東京―名古屋間開業が見込まれる2027年まで続ける計画だ。 JR東海が昨年9月に公表したリニアの環境影響評価(アセスメント)準備書によると、村内はほとんどがトンネル区間だが、小渋川を橋で通過し、小渋川沿いに変電施設を1カ所建設する。ほかにも釜沢地区付近や変電施設付近、青木川近くに作業用トンネルの出入り口を計4カ所設ける予定だ。 変電施設付近には工事用道路の建設を計画しており、リニア工事に伴って村内の国道152号を走る工事用車両は「1日最大1736台」としている。 育む会は、リニア建設で村内が大きく変わるとして映像で記録することを決めた。2月5日に撮影を始めており、完成まで村内の四季の風景を撮影する。初回は、釜沢地区の風景や集落から望む南アルプスなどの映像を収録。次回は春の景色を撮影する。村民の暮らしぶりやインタビューも映像に残す予定だ。 育む会代表の前島久美さん(32)=大鹿村大河原=は、「リニア工事が長く続く中で、村が存続できるのかも分からない」との危機感があるとし、「息の長い活動を続けていきたい」と話している。(長野県、信濃毎日新聞社)
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