長野市の善光寺は11日、東日本大震災の犠牲者を追悼する法要を行った。震災発生と同じ午後2時46分に鐘を鳴らし、天台、浄土両宗一山の住職や参列者ら約100人が厳かに祈りをささげた。 本堂では、市仏教会や、昨年4~5月に善光寺出開帳(でがいちょう)があった東京・両国の回向(えこう)院の僧侶らも加わって般若心経を唱えた。この後、地蔵菩薩(ぼさつ)像を安置してある境内の地蔵堂前に移動。像は、津波に遭った岩手県陸前高田市の景勝地「高田松原」の倒木から作られており、参列者らは僧侶の読経に合わせて「南無阿弥陀仏」と繰り返し唱えた。 岩手県釜石市の出身で長野市のパート従業員伊東貴世さん(49)は震災で親類を亡くした。焼香後、「どうしてもこの日には手を合わせたいと参りました」と話した。(長野県、信濃毎日新聞社)
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