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県内公立高一般入試 職業科受験生「手に職を」

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 県内の公立高校で11日行われた一般入試では、農業関係の高校、学科に志望が集まった。最終志願状況で、農業科の志願倍率は前年度比0・06ポイント上昇の1・11倍。一方、工業科は0・13ポイント低下の0・94倍と、1倍を割り込んだ。倍率の変動の「原因は不明」(県教委)だが、農・工どちらの受験生も「手に職」への願いは同じ。チャンスを得ようと学力検査に挑んだ。  東日本大震災の発生時刻の午後2時46分。休憩時間に行方不明者のことを思い黙とうした安曇野市の男子は、志願倍率1・50倍と職業科で最も高い南安曇農業(安曇野市)グリーンサイエンス科を受験した。農業高校を題材にした漫画を読んで興味を持った。「食品加工について学び、調理師になりたい」と希望を語る。  倍率1・10倍の須坂園芸(須坂市)を受けた長野市の女子は「ブライダルコーディネーターなど、結婚式に関わる仕事に就きたい」と、草花の知識や栽培方法などを幅広く学べる同高園芸科を志望。飯田市の女子は、幼いころから祖母の野菜作りを手伝ううちに農業に興味を持ち、1・20倍の下伊那農業(飯田市)園芸クリエイト科を受けた。  南安曇農業の飯沼尚隆校長は「リンゴ栽培など、生徒が自ら計画して校外で地域の人と関わる機会を設けており、生徒の姿が地域の人の目に留まったのでは」と、人気の背景を分析する。  工業科は、製造業と関わりの深い地域でも志望低下が目立つ。岡谷工業(岡谷市)は電気科が0・80倍となるなど、環境化学を除いた4科で定員割れだ。ただ、茅野市の男子は「競争率が低くなるのはありがたい」。コンピューターゲームを作るという小学生からの夢を実現しようと、情報技術科を受験した。  上田市の男子は、中学2年の職場体験授業をきっかけに自動車整備士になりたいと思い、上田千曲(上田市)電子機械科を受験。「英語は難しかったが、数学は自信がある。入学できたら専門知識を身に付けたい」と話した。  同高は工業系全4科が定員を上回った。昨年度からキャリア教育の一環で3年生が近くの中学校で授業内容を発表しており、高嶋邦夫教頭は「年齢の近い生徒が発表することで親しんで聞いてもらえるようだ。学校を知ってもらうことにつながっていると思う」と話している。(長野県、信濃毎日新聞社)


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