須坂市墨坂の森上小学校の6年生63人が11日、福島県新地町の駒ケ嶺小学校6年生28人と、インターネットを使ったテレビ電話で「未来のエネルギー資源」をテーマに初の交流授業をした。将来のエネルギーをどんな手段で確保するかを互いに発表。森上小の児童は、東京電力福島第1原発から50キロほど北にある駒ケ嶺小の児童に、原発事故の生活への影響を熱心に聞いた。 森上小で理科を担当する服部直幸教諭(24)が提案し、両校の理科の授業で実施した。服部教諭は昨年2月、休暇を利用して宮城、福島両県を訪問。被災地で聞いた住民の話を児童に伝え「自然の力」などを授業で教えている。今回は、昨年11月に上田市内で講演した福島県内の元校長からの紹介で、駒ケ嶺小と語り合う場を設けた。 授業では両校の児童が活発に意見交換。森上小の児童が「将来のエネルギー資源」について「火力40%、原子力20%…」と発表すると、駒ケ嶺小の児童が「なぜ原子力が必要と考えたのですか」と質問。森上小の児童は「反対する声もあるけれど、硬いもので囲ったりして安全にしていくことで増えていくと思う」と答えていた。 森上小の児童は「原発の近くにいて怖くないの」「今、楽しい生活ができていますか」と駒ケ嶺小の児童に質問。「自分の畑で取れた野菜でも検査しなくてはいけないのが怖い」「震災直後は苦しかったけれど、全国からの支援で今は楽しく生活できている」といった答えを真剣な表情で聞いていた。 授業中、東日本大震災発生の午後2時46分になり、両校の児童は一緒に黙とうした。森上小の田子龍希君(12)は「原発は日本全体で考えなくてはいけないと思った」。服部教諭は「子どもたちは、遠くに感じていた問題を身近なこととして考えられるようになったのではないか」と話していた。両校は今後も交流を続けていく予定という。(長野県、信濃毎日新聞社)
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