県最北端の下水内郡栄村で震度6強を観測した県北部地震から12日で3年。大きな被害を受けた住宅や道路、農地はほぼ元の姿に戻った。ただ、1日現在の村の人口は2159人となり、地震前の11年3月1日から約170人減少。人口減少に歯止めは掛からず高齢化も進むが、住民たちはゆっくりと立ち上がろうとしている。 村中心部の森地区では11日、震災後に発足した「ふれあい会」の60~80代の女性16人が公民館に集まって、布や粘土を使って地蔵の人形を作った。同会は、地震以降に家に閉じこもりがちになった人が外に出るきっかけに「お茶飲み」をしようとつくった。集まりを重ねるうちに、塗り絵や裁縫を楽しむようになった。村営住宅で暮らす広瀬よきさん(78)は「困った困っただけじゃしょうがない。何とか先に進まないと」と話した。 震災後、村には全国から計12億8100万円余の義援金や寄付金が寄せられ、住民の生活再建に充てられた。この日、村役場で記者会見した島田茂樹村長は「全国のみなさんの協力のおかげで復旧が終わった。ばら色の夢を語っても実際には無理かなと思うこともあるが、お年寄りが元気で暮らせる村にしていきたい」と話した。(長野県、信濃毎日新聞社)
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