ＰＣＢ流出防止へ、敷地境界に遮水壁　富士通旧須坂工場

　富士通（東京）の旧須坂工場（須坂市小山）の地下水から有害物質のポリ塩化ビフェニール（ＰＣＢ）が検出されている問題で、同社は１５日、汚染水の敷地外への流出を防ぐため、敷地境界付近に遮水壁を埋め込むことを明らかにした。同日夜、同社が須坂市内で開いた地元住民向け説明会で示した。 　説明会は非公開で、同社によると住民ら２５人が参加。工場東側の建物の地下部分やその周辺が汚染源の可能性が高いといい、同社は建物下を流れる地下水の下流側（北西側）に当たる工場敷地境界付近に遮水壁を埋め込むとした＝地図。遮水壁はガラス繊維製で、長さ約５０メートル、厚さ約２メートル。地下約９メートルから約２５メートルの範囲に埋めるという。 　工事は１２月１７日から来年５月中旬に行う。同社は建物の下流側４カ所で地下水をくみ上げて浄化し、下水に流す処理もしており、今後はくみ上げる場所を６カ所に増やすとした。 　説明会は７月に続き２回目。初回は工場周辺の３地区が対象だったが、今回は住民の要望などを受けて６地区に広げた。今後も他の地区から要望があれば説明会を行うとしている。（長野県、信濃毎日新聞社）