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鳥居下に巨大礎石 諏訪大社下社春宮 江戸時代に設置か

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 諏訪郡下諏訪町の諏訪大社下社春宮で、境内入り口にある鳥居下の地中から巨大な礎石が二つ見つかった。調査を始めた町教育委員会によると江戸時代に設置されたとみられ、当時の鳥居の建築技法を知る貴重な手掛かりになりそうだという。  礎石は鳥居の柱を支える基礎で、鳥居を正面から見て左側が170センチ×130センチ、右側は220×190センチ。ともに高さは110センチで、重さは十数トンと推定される。それぞれ表面に柱を差し込む直径73センチ、最も深い部分で25センチのくぼみがある。  大社や町教委によると、花こう岩の石材を接ぎ合わせた鳥居に経年でゆがみが生じたため、今月5日から耐震補強工事を開始。22日に土木業者が礎石を発見し、大社の報告を受けた町教委が27日から調査を始めた。  町教委によると、1660(万治3)年に鳥居を建てる際、職人が材料の石にのみを入れたところ血が流れたため、この石を仏像としてまつった。それが現在、春宮近くにある町指定文化財の石像「万治の石仏」の始まり―との伝承がある。  調査をしている学芸員の宮坂清さん(47)は「江戸時代にこれほどの巨石を切り出して運び、鳥居を建てる技法があったことに驚いた」と話す。礎石は石像と同じ安山岩とみられ、宮坂さんは約350年前の伝承について「鳥居でなく、礎石を切り出そうとした可能性もある」と指摘。伝承の内容を確かめる鍵にもなり得るという。  大社は工事を年内に終える予定。礎石が傷つかないようコンクリートで固め、その上に鳥居を建てる。28日に調査を終えた町教委は今後、礎石が設置された年代や技法を詳しく調べる。(長野県、信濃毎日新聞社)


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