下伊那郡阿南町新野で14日夜、国重要無形民俗文化財「新野の盆踊り」が始まった。500年近い歴史があり、夜を徹して踊り続ける伝統行事。住民や帰省した人たちが目抜き通りに繰り出し、盆唄が響く中、ゆったりとした風情ある踊りを繰り広げた。 雨が上がった午後9時、やぐらを中心に浴衣姿の住民ら約100人が長い輪をつくった。やぐらの上の「音頭取り」の盆唄に合わせ、集まった人たちは扇子を緩やかに振り、盆唄を口ずさみながら踊った。 17日朝までの3晩、午後9時から翌朝6時ごろまで踊りが続く。音頭取りを務めた阿南第二中学校1年の関創太君(12)は「やぐらに上るのは初めてで緊張したけど、いい声を出せた」と話した。 新野高原盆踊りの会の田嶋克粛(かつよし)会長は「最終日には踊りの輪が大きくなる。住民にとっては、踊らないと夏が終わらない感覚でしょう」と話していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
↧