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牛伏寺断層の南端に断層群 信大教授ら確認

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 東日本大震災後に地震発生確率が高まったとされる牛伏寺(ごふくじ)断層(松本市―塩尻市)の南端に、北東―南西方向に走る複数の活断層からなる断層群があることを信大全学教育機構の大塚勉教授(地質学)らが発見した。2009年から3年間調査し、「崖の湯断層群」と名付けた。この断層群が活動した場合、マグニチュード(M)6前後の地震が起こる可能性があると分析。全国の研究者が集まり、長野市で17日から開く地学団体研究会の長野総会で発表する。  09年4月~12年3月に、大塚教授と信大大学院生だった高畑萌子(もえこ)さんが松本、塩尻両市東部で露出している地層などを調査。糸魚川―静岡構造線断層帯にあり、北西―南東方向に走る牛伏寺断層(約17キロ)の南端を切るように、北東―南西方向に走る活断層が長さ約6キロの範囲でこれまで分かっていたものも含め20本前後あることを発見、地図上に記した。  活断層の多くが横ずれ断層で、東側の山地を押し上げており、松本、塩尻両市にまたがる崖の湯温泉付近に存在することから「崖の湯断層群」と名付けた。  崖の湯北方を流れる牛伏(うしぶせ)川は江戸時代に源流部でたびたび崩壊が発生し、下流部に土砂災害をもたらしてきたことが文献に残る。大塚教授によると、崖の湯断層群が動くことで岩石が砕かれ、もろくなった破砕帯などができていることが原因と考えられるという。7月に国重要文化財に指定された同川の階段状砂防施設「牛伏川本流水路(牛伏川階段工)」は大正時代に造られ、土砂流出を抑える役割がある。  同断層群付近では、1391(明徳2)年に大地震があったとする記録もあるが、その後の活動は知られていない。近年は小康状態とみられるが、大塚教授は注意する必要があると指摘し、「仮に崖の湯断層群と付近のみどり湖断層などが一緒に動いた場合、M7程度の地震になる可能性もある」と話す。  県内の地震や断層帯に詳しい塚原弘昭・信大名誉教授(地震学)は「一部活断層があることは分かっていたものの、不明な点が多い牛伏寺断層の南側について、幅の広い断層帯や破砕帯があることを突き止め、大きな意義がある調査」としている。(長野県、信濃毎日新聞社)


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