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佐久市浅科の「五郎兵衛用水」、半世紀ぶり改修へ

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 江戸初期に市川五郎兵衛(1571~1665年)が造った長さ約20キロの農業用水路を始まりとする佐久市浅科地域の「五郎兵衛用水」が2013年、ほぼ半世紀ぶりに改修される。県が昭和30年代から整備した約8キロの現用水のうち、水漏れを起こしているトンネルなど計2・6キロを17年度まで、総額2億9千万円をかけて改修。ブランド米として知られる「五郎兵衛米」を育んできた一帯に引き続き水を供給する。  五郎兵衛用水は、小諸藩の許可で新田開発を始めた市川五郎兵衛が私財を投じて整備。蓼科山麓の湧き水を水源に、山にトンネルを開けたり、盛り土をした上に水路を造ったりして水を引いた。今回改修するのは、この旧水路を一部活用しつつ、県が昭和30年代半ばから新たに建設したコンクリート製水路だ。  改修に先立ち、県佐久地方事務所(佐久市)が10年度、現水路の「健康診断」を実施。ひび割れなどを確認したトンネルや水路で、壁面をモルタルで覆うなどする。改修は農閑期に行う。  事業費の2割は、水路を管理する農家約1100戸でつくる五郎兵衛用水土地改良区が負担。同改良区理事長の中沢政幸さん(74)=佐久市=は「組合員の協力で負担金をためるなど準備を進めてきた。改修で、うまいコメを作るという誇りを今後も引き継いでいける」と話す。  佐久地域では、五郎兵衛用水と同じく江戸初期に造られ、昭和30年代から県が整備し、現在も小諸市などの水田を潤している御影用水でも、同地方事務所が08年度に改修を開始。16年度には完了する予定だ。同地方事務所農地整備課は「用水路は、人間の体でいえば『血管』に当たる重要な部分。次の世代にも安心して使ってもらえるよう引き継ぐ責任がある」としている。(長野県、信濃毎日新聞社)


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