北アルプスなどで昨年末から1日にかけて遭難が相次ぎ、2日現在、松本市の北ア明神岳付近で2人の行方が分からなくなっている他、岐阜県高山市の北ア西穂高岳付近で3人が動けなくなっている。 松本署によると、行方不明になっているのは、明神岳に登る予定だった愛知県の男性3人グループのうち同県小牧市東田中の会社員加藤秀明さん(34)と名古屋市名東区の浜松一人さん(35)。2人は12月31日昼に明神岳の長七(ちょうしち)の頭(かしら)(2320メートル)付近のテント場からルート確認に出たが夕方になっても戻らず、残っていた同県の会社員男性(35)が下山し、31日夜、同署に通報した。この男性は、付近に雪崩の跡があったと話しているという。同署などは3日以降も捜索を続ける。 西穂高岳では1日午後、神奈川県藤沢市の山岳会所属の男女3人から、凍傷や疲労で動けなくなったと110番通報があった。岐阜県警が2日救助に向かったが強風や雪のため断念。3日以降、救助に当たる。 この他、茅野市の八ケ岳連峰・赤岳の標高2500メートル付近の岩場では1日午前2時ごろ、仙台市の医師佐藤田実(たのみ)さん(70)が約300メートル転落した。一緒に登っていた仲間から連絡を受けた男性が茅野署に通報。同日朝から捜索していた同署員らが午前8時半ごろ、佐藤さんを発見。県消防防災ヘリで茅野市内の病院に収容した。同署によると、佐藤さんは背中を打つなどの軽いけがをした。 大町署によると、北安曇郡白馬村の八方尾根スキー場では1日、近くのペンションの女性従業員(31)=アイルランド国籍=がスノーボードに行くと言って出たまま戻らず、県警山岳遭難救助隊員らが2日朝から捜索。同日昼、コース外の斜面で女性を発見、救助した。けがはなかった。(長野県、信濃毎日新聞社)
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