県内の寺社は2日も初詣客でにぎわった。将来への不安が拭いきれず、経済情勢にはっきりとした明るさも感じられない中、家族の幸せを願うとともに、東日本大震災の復興を祈願する人が目立った。 川崎市から飯田市の実家に帰省した小河佑加さん(25)は、1歳7カ月の長男と同市の元善光寺を訪れ、家族の健康と子どもの成長を願った。昨年は子どもが歩き始めるなど成長を感じた年だったといい、新年も「家族で幸せに暮らせればいい」。 諏訪市の諏訪大社上社本宮で家内安全を祈願した上伊那郡辰野町の嘱託社員宮原八重子さん(60)は年金受給に不安があるといい、「働く場所が増え、現役世代が頑張れる世の中になってほしい」。 仙台市から岡谷市の実家に帰省した小池明広さん(50)は安曇野市の穂高神社へ。昨夏から仙台市を拠点に内装関係の仕事をしており、「もう津波が来ないことと、被災地の人たちの暮らしが少しでもよくなるように祈った。復興のためにもとにかく景気が良くなってほしい」と話した。 上田市別所温泉の北向観音では、長野市の自営業小林修二さん(75)が、震災以降も相次ぐ地震を踏まえ「家族の平穏無事」を祈願。「世の中が乱れないよう、与野党とも緊張感を持ってほしい」との期待も込めたという。 長野市の善光寺を参拝した中野市の専門学校生武田一登さん(18)は「内定が取れますように」と祈願。自動車整備士の資格取得を目指しつつ昨秋に就職活動を始め、「不景気に不安もあるが、飛躍の年にしたい」と話した。(長野県、信濃毎日新聞社)
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