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諏訪湖のイケチョウガイ生存率が大幅向上

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 諏訪湖の水質浄化と淡水真珠の特産化を目指し、環境保全団体「諏訪湖クラブ」が2011年から始めたイケチョウガイの繁殖実験で、1年目に36%だった貝の生存率が、2年目の昨年は100%だったことが11日、分かった。担当する信大の宮原裕一准教授(46)は「真珠ができるには貝が数年間生き続けるのが前提。計画が一歩前進した」としている。  イケチョウガイは淡水二枚貝で真珠養殖の母貝として利用される。昨年6月、諏訪市渋崎の諏訪湖漁業センター裏手にあるいけすに、前年生き残った分も含め、同じ琵琶湖産の121個の貝を沈め、酸素濃度や水温の変化とともに生存状況を見てきた。最終確認した12月中旬時点で死んだ貝はなかった。  一昨年は、諏訪郡下諏訪町高木の沖合約200メートルに入れた77個のうち生存が28個で、大きさ、重さとも成長がほとんど見られないという結果だった。貝の死んだ時期は5~7月に集中していた。  今回、生存率が大幅に上がった理由について宮原准教授は、夏場に湖面に繁茂する浮葉植物のヒシが少ない上川の河口付近に実験場所を変えたことで、水中の酸素量が増えたためと推察している。  昨年6月時点の貝の大きさは10センチ余。25センチほどになると真珠が形成されるといい、少なくとも4年以上は成長を続ける必要がある。現在は寒さで活動が乏しいため、実験2年目を終えた時点の大きさと重さは3月以降に調べる。  諏訪湖でシジミ復活に向けて繁殖実験を行う諏訪湖漁協(諏訪市)も、11日までに実験2年目の昨年の状況をまとめた。諏訪市豊田の湖内と岡谷市の天竜川の2カ所にシジミを31キロずつ放流したが、生存率は淡水域に生息する淡水種が平均で20%、淡水と海水が混じる汽水域に生息する汽水種が同12%と厳しい結果だった。(長野県、信濃毎日新聞社)


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