発足4年目の大町北高校(大町市)女子サッカー部にとって2度目の全国舞台となった12日の第21回全日本高校女子サッカー選手権大会(静岡県磐田市)。結果は、昨年8月に地元開催した全国高校総体(インターハイ)と同じ0対14での大敗だったが、「中身は全く違う。力は足りなかったが成長は表現できた」と金子純也監督(36)。選手たちも、悔しさの中に確かな手応えを感じた様子だった。 1回戦の相手は、5年連続出場で全国高校総体8強の強豪、北海道大谷室蘭高校。大町北は序盤から防戦一方となり、失点を重ねた。それでも「インターハイの時は点が入るたびに下を向いていたけれど、今日は最後まで声を出して走れた」と2年生の長沢千夏主将(17)。相手から奪ったボールを無造作に蹴り出すことはせず、相手に奪い返されるリスクを負ってでもパスをつなぐ姿勢を貫いた。 マネジャー1人を含む14人の部員で唯一の3年生、山下葉子選手(18)は、全国高校総体後に一度は引退を決意したが、9月に志願してピッチに戻った。「インターハイの時はやり残した悔いが残った」と山下選手。「結果だけ見ればインターハイと同じだけれど、練習から意識してきたことをみんなで出せた。いい試合でした」と笑顔で振り返った。 「なでしこジャパン」の活躍で人気や注目が高まる女子サッカー。県勢にとって全国の壁が高いことを痛感した試合になったが、選手たちの様子を見た金子監督は「力を伸ばしていくための第一歩を踏み出せた」と受け止めていた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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