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「就学援助」市町村で差 11年度県内 受給率0~19%

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 小中学校の児童生徒がいる世帯で学用品費や給食費、修学旅行の費用などの負担が難しい場合、市町村が補助する「就学援助」を2011年度に受けた児童生徒の割合(受給率)は、県内の市町村によって0~19%と開きがあることが20日、県教委のまとめで分かった。保護者への制度の知らせ方や認定基準が違うことが一因とされ、専門家は援助が必要な世帯が公平に制度を利用できているのか調べる必要があると指摘している。  11年度の県内公立小中学校の受給率は10・6%で、19市は8・0%(上田、飯山市)から15・4%(松本市)。これに対し町村は、受給者ゼロ(木曽郡王滝村、下水内郡栄村)から19・0%(下伊那郡売木村)までと幅が広かった。  県教委によると、11年度当初に就学援助制度について保護者に知らせたのは63市町村で、全体の8割余り。上田市は毎年4月に市の広報で知らせ、児童生徒の世帯向けに通知も出している。伊那市も年度当初に申請書を添えて説明資料を配布。小学校入学前の説明会や、ひとり親家庭が対象の児童扶養手当の申請時にも資料を配っている。  一方、10、11年度と受給者ゼロだった王滝村教委は広報していない。前年度のゼロから一転、11年度の受給率が県内最高となった売木村も広報はしておらず、村教委は「小さい村なので住民の事情はある程度分かる」としている。  受給率に幅がある背景には、援助の認定基準が異なっていることも挙げられる。  援助対象は、生活保護を受けている「要保護世帯」と、家計の状態が生活保護世帯に近い「準要保護世帯」。準要保護世帯の位置付けは市町村ごとに異なり、所得の目安としては松本市が生活保護基準の「2・5倍」、諏訪郡富士見町は「1・2倍未満」としている。  このため、家計の状態が同じでも、住んでいる市町村によって援助が受けられたり、受けられなかったりする可能性がある。  子どもの貧困問題に取り組む民間団体「なくそう!子どもの貧困全国ネットワーク」は昨年、全国200自治体を対象に就学援助に関する調査を実施。制度について、2割余りの自治体は児童生徒がいる全世帯対象の通知を行っていなかった。  同ネット世話人で千葉明徳短大(千葉市)教授の山野良一さん(52)は「同じ世帯が自治体によって就学援助を受けられたり、受けられなかったりするのはおかしい」と指摘。「国や県が調査し、市町村の就学援助の実態を把握するべきだ」としている。(長野県、信濃毎日新聞社)


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