茅野市北山の「蓼科温泉ホテル 親湯(しんゆ)」で2011年2月に起きたガス爆発事故で、茅野署などは21日、業務上過失激発物破裂容疑で、ホテルのガス供給設備を管理していた蓼科商事(茅野市米沢)の柿沢拓社長(74)=茅野市米沢=ら3人の書類を、地検松本支部に送った。 書類送検したのは他に、同社の液化石油ガス業務主任者、柿沢大輔役員(45)=同=と、同社でガス管理業務に従事していた柿沢宏社員(79)=茅野市北山。送検容疑は、ガス供給設備を点検し、ガス漏れなどを防止する注意義務があるのに怠り、同年2月7日未明、漏出したプロパンガスへの引火、爆発により客室や廊下の扉、天井、壁などを損壊した疑い。3人は容疑を認めているという。 事故では、同ホテルの本館「山月(さんげつ)亭」で全18部屋のうち9部屋が損壊。客室の窓ガラスが割れ、廊下の天井板が落ちるなどし、宿泊客が避難した。けが人はなかった。同署は昨年5月、親湯側から告訴を受けていた。 事故後、同署などの実況見分に立ち会った蓼科商事によると、屋外のガスタンクからホテル内の別の建物にある調理場までプロパンガスを送る鉄製の管に幅約3ミリ、長さ約5センチの亀裂が見つかった。管は本館北側の斜面にはわせるように設置してあった。 柿沢社長はこの日の取材に「こういった事故が起きてしまった以上、管理責任はある。申し訳ないと感じている」と話した。親湯の柳沢幸輝専務(37)は「警察が事実を調べてくれたことをありがたく思う。宿泊者にはあらためておわび申し上げる」とした。(長野県、信濃毎日新聞社)
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